もうすぐ十五夜～
上弦の月を眺めながら、カラハクも厳しい戦いの中のちょっとした息抜きでお月見というか、夜空一緒に眺めて心穏やかな時間を過ごしたりしてくれてたらいいなぁ。
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「夜は秋の気配が感じられるようになって、涼やかですね」
「そうだな。夏休みが終わって、また、あんたに会える毎日がくるんだって、高校の時はとても好きな時期だったよ」
「私も、カラスに会えるのを楽しみにしたんですよ、夏休み明けは」
二人の間に少しばかりの沈黙が横たわるけれど、そよそよとそよぐ風のようで、とても心地のよい静寂の時間。
火照る肌を冷やしてくれる風がきまぐれに月を隠したり、見せてくれたり。
少しばかり、月が雲に隠れて薄暗くなる。
どちらかというわけでもなく手が触れ合った。
そして再び姿を見せる月にぽそりとひとこと。
「月がきれいですね」
そんな言葉をポロリとこぼした彼女の横顔は驚くほど儚く、きれいで。
「あぁ、きれいだな」
そうこぼした言葉は何に対してだったのだろう。
それがまるで自然であるかの様にお互いの身を寄せ合って、そのあたたかさに触れると、なんだか泣きたくなってしまう。願わくは来年も、その次の年も・・・あなたの隣にあれますように。